(登録例5)勧奨通知最適タイミング算出方法
【請求項1】
医療保険機関が実施する各種の医療行為や健康診断の受診を促す被保険者への勧奨通知最適タイミングを、コンピュータを用いて算出する方法であって、
被保険者に係る複数の特徴量から抽出された説明変数と、時期ごとの勧奨効果の大きさを示すスコアを目的変数とした回帰分析によって得られた回帰式、又は前記説明変数と前記目的変数とした機械学習によって得られた機械学習モデルに、
個々の前記被保険者の複数の特徴量から抽出された説明変数を入力して前記勧奨通知の時期ごとの勧奨効果の大きさを示すスコアを算出し、前記スコアに基づいて最適通知時期を決定する、
ことを特徴とする、勧奨通知最適タイミング算出方法。
この発明は、被保険者に健康診断等の受診を促す勧奨通知の最適なタイミングを算出する方法に関する。ここで、最適なタイミングとは、被保険者が勧奨通知を受けて健康診断等を受診する確率が高いタイミングである。
発明の構成は、被保険者の複数の特徴量を説明変数、時期ごとの勧奨効果を示すスコアを目的変数として、あらかじめ回帰式または機械学習モデルを生成しておき、対象の被保険者の特徴量を回帰式または機械学習モデルに適用して時期を決定するというものである。
審査経過を見ると、本発明者がすでに公開している技術として、機械学習によって学習したモデルを使って、被保険者の健診データから受診確率を求める論文や特許が存在した。これに対し、出願人は、「機械学習を用いて勧奨効果を上げることのみが開示されているに過ぎず、具体的な方法として最終目的とするアウトプットを「個々人の最適通知時期」とすることの記載はありません。」と主張し、特許査定を得た。この審査経過から、本件特許の特徴は、アウトプットとして最適通知時期を決定することであり、このアウトプットを得るあめに、時期ごとの勧奨効果の大きさを示すスコアを目的変数としていることと考えられる。
アウトプットとして、最適通知時期を求めようと思えば、時期ごとの勧奨効果の大きさを目的変数とすることは自明なので、最適通知時期をアウトプットとするという発想が新しかったということになる。パラメータが新しいことによって特許がとれるパターンであり、その中でも目的変数の方が新しいパターンに分類できる。
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