2021年3月29日月曜日

[AI関連発明]関連妨害波提示装置(特許6669939)

 (登録例24)

【請求項1】
  妨害波を含むサンプルデータを機械学習することにより生成され、妨害波の特徴量に基づいて前記妨害波の属するクラスを特定する学習済モデルを用いて、参照された妨害波である参照妨害波の属するクラスを特定する、クラス特定部と、
  前記参照妨害波の属するクラスに基づいて、前記サンプルデータを検索し、関連する妨害波に関する情報である関連妨害波情報を生成する、関連妨害波情報生成部と、
  前記関連妨害波情報の一部又は全体を提示する制御を行う、提示制御部と、を備え
  前記参照妨害波は、周波数スペクトラムにおける特異的波形部分である、関連妨害波提示装置。

 学習済モデルを用いて、参照妨害波の属するクラスを特定すると共に、クラスに基づいて妨害波に関連する情報(例えば、妨害波を発生している部品等の情報)を生成し、提示するというものである。

 審査の過程で、新規性を否定する引用文献が示されたが、出願人は拒絶理由の発見されていない請求項2に限定することにより特許査定を得た。追加した特徴は、「参照妨害波は周波数スペクトラムにおける特異的波形部分を含む」というものである。特異的波形部分という用語は請求項とその引写し部分以外にないが、要するに、ピーク波形部分103を意味していると解される。
 ところで参照周波数領域(上記図の網掛部分)は上限と下限の周波数を選択することで設定することができる。つまり、追加された要件は、人が分析範囲を選択する際には、ピーク波形部分103を含むように選択すると言っている。装置の構成としてこの要件をどう理解するか、やや疑問ではあるが、特許査定のポイントとしては、入力データが引用文献との差別化ポイントであるということになる。






 

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