2021年4月5日月曜日
[AI関連発明]スクリーニング方法(特開2019-16359)
2021年4月4日日曜日
[AI関連発明]人工知能モジュール開発方法(特開2019-003603)
1)解析目的を選択させるステップと、
2)前記解析目的に必要なデータを登録させるステップと、
3)前記解析目的を達成する目標を設定させるステップと、
4)前記登録されたデータを用いて前記解析目的及び前記目標に適合する学習の実行を指示させるステップと、
5)前記学習の結果として求められた人工知能モジュールを確認させるステップと、
6)前記確認された人工知能モジュールを含む学習結果を他の装置に組み込むことを指示させるステップと
をを順次実行する人工知能モジュール開発方法。
2021年3月11日木曜日
[AI関連発明]パターン認識装置(特開2019-128623)
(拒絶例4)パターン認識装置
【請求項1】
ニューラルネットワークに複数の第1のパターン群を入力し、前記複数の第1のパターン群に対応する複数の第1の識別関数を学習する学習部と、
前記複数の第1のパターン群とは異なる第2のパターン群に属する第2のパターンを前記第1のパターン群に属すると識別する前記第1の識別関数を前記複数の第1の識別関数から選択し、選択した前記第1の識別関数を前記学習部に再学習させるとともに、前記第2のパターン群に対応する第2の識別関数を前記学習部に学習させる制御部とを備えることを特徴とするパターン認識装置。
この発明は、上図に示すようなパターンを識別する識別曲線を学習によって求めるパターン認識装置に係る発明である。発明のポイントは「再学習」にある。上の例では、最初の学習で4つの識別曲線が求められている。この状態で(●で示す)新規パターンを識別しようとすると、新規パターンX1,X2はA群に、新規パターンX3はC群に誤って識別されてしまう。これを再学習によって次のように識別曲線を作り直すという発明である。
拒絶理由通知によれば、「引用文献1には、ニューラルネットワークにK個のクラス(「第1のパターン群」に相当)を入力し、前記K個のクラスに属するK個のIモジュールを学習する手段と、前記K個のクラスとは異なるA個の追加クラス(「第2のパターン群」に相当)を前記K個のクラスに属するとエラーを発生する前記Iモジュールを前記K個のIモジュールから選択し、選択した前記Iモジュールに既存のクラスと新しく追加されたクラスとを分離するモジュールを新規に生成し統合して加え、学習させる(追加学習させる)とともに、前記A個の追加クラスに属するA個のIモジュールを学習させる手段と、を備えることを特徴とする装置が記載されている。」
[AI関連発明]情報処理装置(特開2019-118461)
(拒絶例3) 情報処理装置
【請求項1】 複数のオブジェクトを使用する電子ゲームに関するゲーム進行履歴であって、ゲームにおいて影響を与えているオブジェクトの情報を含むゲームの状況の情報、当該オブジェクトのうち当該状況において使用されたオブジェクトの情報、及び当該オブジェクトの使用によって生じたゲーム上の効果を示す情報を含むゲームログ、に基づいて、前記オブジェクトの各々の特徴を表す特徴ベクトルを学習する表現学習部を備える情報処理装置であって、 前記表現学習部は、前記ゲームのターンtにおける前記ゲームの状況の情報gtから当該ターンtにおいて使用されたオブジェクトct1の情報を除いた情報と、当該オブジェクトct1に関する情報と、を組み合わせた情報(gt,ct1)を入力として、当該オブジェクトct1を使用した際の前記ゲーム上の効果の情報rtを教師データとして表現学習を行うことによって、前記複数のオブジェクトの種類の数より少ない次元数で前記複数のオブジェクトの各々を表現した前記特徴ベクトルを求めることを特徴とする情報処理装置。
本件発明は、人工知能エージェントを学習するために適した表現学習を実現するものである。具体的には、多数のプレイヤのログに基づいて学習を行うことを考える。もし、ゲームに登場するオブジェクトが数百種類もあると、各オブジェクトがどのような場面で使われたか、というログに基づいて学習をするにしても、なかなかうまく学習ができない。そこで、似たようなオブジェクトをまとめて特徴ベクトルを生成する(→次元を圧縮する)、というのが本発明の構成である。
出願当初請求項では、次元について明確に規定しておらず「少なくとも1つのオブジェクトの情報を除いた情報」を用いて学習を行うと規定されていた。これに対して、leave-one-out交差確認の手法は機械学習の分野において広く知られているとして引用文献と周知技術との組み合わせで進歩性が否定された。
これに対して、出願人は、「少ない次元数で前記複数のオブジェクトの各々を表現した前記特徴ベクトルを求める」こと等を規定し、これに基づく反論を行った。
審決は以下のとおり、出願人の主張を排斥した。
「引用文献2-3及び参考文献1に記載されるように,機械学習の分野において,特徴ベクトルに含まれる特定のパラメータを削減することにより特徴ベクトルの次元を小さくする演算手法は,広く知られたものであった。・・・引用発明において上記周知の手法を採用することにより,特徴量ベクトルの次元を小さくし,複数のキャラクタの種類の数より少ない次元数で当該複数のキャラクタの各々を表現するように構成することは,当業者であれば容易になし得たものである。」
要するに、特徴ベクトルの次元を小さくすることは周知であるから、これを適用することに困難性はないというものである。拒絶例2と同様であるが、発明独自の部分において差別化をしないと、一般的に知られた手法をいくら大仰に構成要件を追加しても特許性は認められない。
2021年3月9日火曜日
[AI関連発明]段階別自動矯正システム(特開2019-115652)
(拒絶例2) 段階別自動矯正システム
【請求項1】 患者の個人情報が除外された良好な歯牙矯正資料、前記歯牙矯正資料を基盤に非指導学習を通じて歯牙矯正患者をクラスタリングまたは所定の個数にグループ化したデータおよび歯牙矯正教本で提示した歯牙矯正拘束条件を保存するデータベースと、 歯科患者の歯牙状態を3Dスキャニングした歯牙データに対して前記データベースのグループ化したデータのうちのいずれかのグループに属するのかを決定し、決定されたグループのデータを参照して矯正が必要な歯牙を漸進的に移動させて予測デジタル矯正歯牙データセットを生成し、前記予測デジタル矯正歯牙データセットを単位デジタル矯正データ群に細分化する人工知能矯正データ生成部と、 前記単位デジタル矯正データ群に対応して製作された透明矯正器の着用後の患者の単位矯正歯牙状態データと前記予測デジタル矯正歯牙データセットとが一致するか否かを前記単位デジタル矯正データ群単位ごとに比較する人工知能矯正データ判断部と、 前記人工知能矯正データ判断部を通じて前記患者の単位矯正歯牙状態データと前記予測デジタル矯正歯牙データセットとが一致する場合、プラス点数を付与し、前記患者の単位矯正歯牙状態データと前記予測デジタル矯正歯牙データセットとが一致しない場合、マイナス点数を付与して前記データベースに保存する人工知能制御部とを含み、 前記人工知能矯正データ生成部は、前記歯牙矯正資料に基づく前記歯牙の前記移動の計画に従って段階的な前記単位デジタル矯正データ群を生成し、 前記人工知能制御部は、前記プラス点数又は前記マイナス点数の付与において、前記患者の歯牙の接点面もしくは咬合状態、咬合湾曲、歯牙移動可塑性及び患者痛みフィードバックの少なくともいずれかを含む補償要素による補償点数を付与し、 前記補償要素に加重値を付与し、総合的に補償点数を算定する人工知能技術を利用した段階別自動矯正システム。
この発明は、良好な歯牙矯正資料(=正解データ)に基づいて患者をクラスタリングしたグループごとに、歯牙矯正のための歯牙移動計画を段階別に樹立し、良好な歯牙矯正資料を継続して学習することによって、透明矯正器を作製するための3次元歯牙モデルを安定的に得るというものである。
拒絶理由通知において引用文献が示されたので、出願人は上記下線部のような補正を行い、次の点を主張した。
①引用文献1の「(クラスタ化された)患者症例」は、良好な歯牙矯正の症例に限らないので、本願発明のクラスタリングとは異なっている。
②引用文献1には、良好な歯牙矯正資料の学習において、補償要素についての補償点数を算出すること(補正による追加部分)については何ら開示も示唆もなく、また、それにより得られる効果についても何ら記載されていない。
しかし、上記主張にかかわらず、拒絶査定がなされた。出願人の主張に対する審査官の見解は次のとおりである。
①補正後の請求項1において、良好な歯牙矯正資料のみに基づいて単位デジタル矯正データ群を生成することは、特許請求の範囲の記載に基づかない主張である。仮にそのような請求項だと理解しても、良好な結果のみに基づいて機械学習を行うことは、本願出願時周知である。
②複数のデータを処理するに際し、重み付けを行うことは、技術分野を問わず慣用技術である。そして、歯科分野の評価においても、重み付けを行うことは周知技術である。
②の点については、重み付け自体は周知であるとしても、何を重みとするか、という選択には工夫の余地もあると考えられる。本願においては、「補償要素」の内容もありふれていたのだと思われる。
2021年3月8日月曜日
[AI関連特許]故障予測装置(特開2019-8675)
(拒絶例1)故障予測装置
除くクレーム(令和6年(行ケ)第10081号)
1 除くクレームについて 特許実務において、引用文献と差別化を図るために、構成要件の一部を除くことが行われることがある。新たな技術的事項を導入しないものである場合には構成要件の一部を除くことが認められるが(ソルダーレジスト大合議事件(平成18年(行ケ)第10563号))、...
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米国における特許審査では、クレームは「最も広範な合理的解釈(BRI: Broadest Reasonable Interpretation)」のもとで解釈される。クレームが条件付き制限事項を含む場合のBRIについてMPEP2111.04 Ⅱに解説がある。 https://...
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侵害鑑定を行う場合、通常は、独立項が非侵害ならばその従属項も非侵害と結論する。なぜなら、従属項は独立項の構成要件をそっくりそのまま備えているから、独立項において非充足の要件があれば従属項もその非充足の要件を備えているからである。 思考実験として、均等侵害の場合について考えてみ...
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特許が有効であるとした無効審判の審決に対する審決取消訴訟である。無効理由は、分割要件違反を前提とする新規性・進歩性欠如、分割要件を前提としない進歩性欠如、補正要件違反、サポート要件違反、明確性違反と多岐にわたるが、特許庁はすべての理由が成り立たないとした。裁判所はサポート要件に...



