(登録例8)検査システム
【請求項1】(出願当初)
複数の対象物のそれぞれの特徴データに基づいて、当該複数の対象物のそれぞれが所定属性に属するか否かを判定する機械学習器と、
前記機械学習器により前記所定属性に属さないとの判定結果が得られた前記対象物のうち、前記機械学習器によらず前記所定属性に属するとの判定結果が得られた前記対象物について、それらの前記特徴データを取得する特徴データ取得部と、
前記特徴データ取得部により取得される前記特徴データを含む教師データに基づいて前記機械学習器の学習パラメータを更新するパラメータ更新部と、
を含む検査システム。
複数の対象物のそれぞれの特徴データに基づいて、当該複数の対象物のそれぞれが所定属性に属するか否かを判定する機械学習器と、
前記機械学習器により前記所定属性に属さないとの判定結果が得られた前記対象物のうち、前記機械学習器によらず前記所定属性に属するとの判定結果が得られた前記対象物について、それらの前記特徴データを取得する特徴データ取得部と、
前記特徴データ取得部により取得される前記特徴データを含む教師データに基づいて前記機械学習器の学習パラメータを更新するパラメータ更新部と、
を含む検査システム。
発明は、追学習に関するものである。機械学習による所定属性に属さないとの判定結果となった対象物を、機械学習によらない判定でチェックし、所定属性に属するという結果になった場合には、その対象物の特徴データを使って再度学習を行うことにより学習パラメータの精度を高める。要するに、間違ってデータを使って学習をするという内容である。
引用発明も同じく追学習についての発明を開示していたところ、出願人は次のように反論した。
【請求項1】(補正クレーム)
(a) 複数の実施用対象物のそれぞれの特徴データに基づいて、当該複数の実施用対象物のそれぞれが所定の品質を有することを表す良品であるか該品質を有さないことを表す不良品であるか第1判定を行う機械学習器と、
(b) 前記第1判定により前記不良品であるとの判定結果が得られた前記実施用対象物に対して選択的に、前記機械学習器によらず前記良品であるか前記不良品であるか第2判定が行われた結果、前記複数の実施用対象物の中から、前記第1判定では不良品と判定され、前記第2判定では良品であるとの判定結果が得られた前記実施用対象物の前記特徴データを取得する特徴データ取得部と、
(b) 前記第1判定により前記不良品であるとの判定結果が得られた前記実施用対象物に対して選択的に、前記機械学習器によらず前記良品であるか前記不良品であるか第2判定が行われた結果、前記複数の実施用対象物の中から、前記第1判定では不良品と判定され、前記第2判定では良品であるとの判定結果が得られた前記実施用対象物の前記特徴データを取得する特徴データ取得部と、
(c) 前記特徴データ取得部により取得される前記特徴データを含む教師データに基づいて前記機械学習器の学習パラメータを更新するパラメータ更新部と、
を含み、
(d)前記第1判定を行う前の前記機械学習器は、予め前記良品であるか前記不良品であるか判明している試験用対象物に対して判定を行った場合に、前記不良品である前記試験用対象物が前記良品であると判定される確率が0%または許容される誤差以下となるように学習が実行済である検査システム。
を含み、
(d)前記第1判定を行う前の前記機械学習器は、予め前記良品であるか前記不良品であるか判明している試験用対象物に対して判定を行った場合に、前記不良品である前記試験用対象物が前記良品であると判定される確率が0%または許容される誤差以下となるように学習が実行済である検査システム。
補正では、所定属性を良品に限定し、良品なのに不良品だと誤って判定された対象物を使って学習するとし、意見書で次のように主張した。引用発明では、解析の一例として、車の画像に対して車である、または、車でない(偽陰性)、車以外の画像に対して車である(偽陽性)、または車ではない、との解析結果をした場合、偽陰性と偽陽性のデータを利用して追学習を行う。これに対して、本発明は、良品であるのに不良品(筆者注:偽陰性)であると判定された対象物だけを「選択的に」用いて学習を行うのが異なるとした。
良品であるのに不良品と判定された対象物(偽陰性)の特徴を学習することで、(d)の不良品であるのに良品であると判定される(偽陽性)確率を低下させることに寄与するのか、個人的にはよくわからない。もしかすると、このコンビネーションが従来には存在しなかったのかもしれない。
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