2021年3月18日木曜日

[AI関連発明]内燃機関の制御装置(特許6741087)

 (登録例13)内燃機関の制御装置

【請求項1】
  複数の入力パラメータを取得するパラメータ取得部と、
  ニューラルネットワークモデルを用いて、前記パラメータ取得部によって取得された前記複数の入力パラメータに基づいて少なくとも一つの出力パラメータを算出する演算部と、
  前記演算部によって算出された前記少なくとも一つの出力パラメータに基づいて内燃機関を制御する制御部と
を備え、
  前記ニューラルネットワークモデルは、複数のニューラルネットワーク部と、該複数のニューラルネットワーク部の出力に基づいて前記少なくも一つの出力パラメータを出力する出力層とを含み、
  前記複数のニューラルネットワーク部は、それぞれ、一つの入力層と、少なくとも一つの中間層とを含み、
  前記複数のニューラルネットワーク部に入力される入力パラメータの総数が前記複数の入力パラメータの数よりも多くなるように、該複数の入力パラメータから選択された異なる組合せの入力パラメータが前記複数のニューラルネットワーク部の入力層のそれぞれに入力される、内燃機関の制御装置。
 この発明は、ニューラルネットワークの構造に特徴があり、図のように複数のニューラルネットワークを有する。そして、例えば変数x1~x3を入力する際に、x1,x2の組み合わせ、x1,x3の組み合わせ、x2,x3の組み合わせでそれぞれのニューラルネットワークに入力し、それぞれの出力を総合して最終的な出力を得るという構造である。これにより、入力パラメータの種類を増やすことなく出力パラメータの算出精度を向上させることができるという顕著な作用効果を奏する
 審査の過程では、拒絶理由が通知されたが、出願人は引用文献に記載されているのがファジイ理論に基づく技術であり、本発明のような入力パラメータZ2から選択された異なる組合せの入力パラメータがニューラルネットワークNN1~NNkの入力層のそれぞれに入力されることを示唆する記載がないと主張して特許査定を得た。たしかにそのとおりかもしれない。
 本件は、ニューラルネットワークの適用対象である内燃機関の制御装置ということとネットワークの構造との関係性が希薄であるので、引用文献を内燃機関の関連から持ってくる必要があったのかどうかは疑問がある。ニューラルネットワークの理論としては、本願発明のような考え方があった可能性はあり(例えばアンサンブル学習は近いと思う)、それらとの組み合わせも検討すべきであったのではないか。







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