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2025年6月30日月曜日

[米国]条件付き制限事項のあるクレーム解釈 (MPEP2111.04 Ⅱ)

  米国における特許審査では、クレームは「最も広範な合理的解釈(BRI: Broadest Reasonable Interpretation)」のもとで解釈される。クレームが条件付き制限事項を含む場合のBRIについてMPEP2111.04 Ⅱに解説がある。

 例えば、方法クレームが「第一の条件が満たされた場合にステップAを、第二の条件が満たされた場合にステップBを実行する」(step A if a first condition happens and step B if a second condition happens)と規定していたとする。
 第一の条件または第二の条件が発生しなくてもクレームされた発明を実施できるのであれば、クレームのBRIにおいてステップAおよびステップBはいずれも必須ではない。すなわち、引例にステップAかステップBのいずれかが開示されていれば、新規性が否定される。
 これに対し、システムクレームでは同様の構成を含んでいても、ステップAを処理する手段、ステップBを処理する手段は必須の構成として判断される。なぜなら、機能が実際に実行されるか否かにかかわらず、当該機能を実行する構造が常に存在していなければならないからである。
 以上の解釈は、Ex parte Schulhauserが先例となっている。

 さて、実際にはいずれも必須であるステップAとステップBを含む方法クレームに対し、この基準に基づくオフィスアクションが出された場合にはどうすればよいか。

 MPEPでは、条件付き制限事項を含んでいれば常に上記のように判断されるわけではないと記載されている。具体的には、クレームが第一の条件が発生することを前提としているならばステップAは必須と解釈されるし、第一の条件および第二の条件のいずれもが発生することを要するのであればステップAおよびステップBは必須と解釈される。
 Ex parte Schulhauserの方法クレームがそうであったように、方法クレームにおいてif節を使うと、いずれかが実行されればよい選択的なステップと判断される可能性がある。そこで対策としては、if節の表現を使わないことが考えられる(if節を使わないで表現できるということは本質的には条件付き制限事項ではないともいえる)。

2023年10月16日月曜日

[米国]IPRにおけるクレーム解釈、Claim Preclusionの法理

備忘メモ: 日本ライセンス協会のワーキンググループでの学び

・IPRにおけるクレーム解釈
 IPRが請求されるとPTABは、請求人の主張が認められる合理的な可能性があるかどうかを判断し、可能性ありの場合に審理開始の決定を行う(米国特許法314条(a))。
 この際のクレーム解釈と異なるクレーム解釈で最終判断をする場合には、PTABは当事者に反論の機会を与えなければならない。
Axonics, Inc. v. Medtronic Inc., Nos. 2022-1532, 1533 (Aug. 7, 2023)

・Claim Preclusionの法理
 前の訴訟の内容は蒸し返してはいけないという法理。
 Claim Preclusionに該当するための要件
 ①同一当事者またはその利害関係人が先の訴訟に関与していた
 ②先の訴訟が後の訴訟と同一請求である
 ③先の訴訟が本案に関する終局判決によって終結した

 ②の要件に関し、先の訴訟で主張できたのに主張しなかった場合にもClaim Preclusionの要件に該当する。日本の裁判実務とはだいぶ異なる。
 例えば、先の訴訟の時点ですでに訴訟物と同等の別の製品が販売されていることを知っていたのに訴訟物に加えていなかった場合、Claim Preclusionの法理により後続訴訟は排除される。

 



2023年4月25日火曜日

[米国]最近の裁判例

LESの米国問題WGのメモ。詳細は、後日発行されるLES JAPAN NEWSを参照。

Broadcom Corp. v. International Trade Commission (Fed. Cir. Mar. 8, 2022)

 国内産業要件を満たさないとしたITC決定を支持した判決。
 ITCでの差し止めが認められるためには、特許権者は、US国内で発明を実施している必要がある。
 Broadcom社のチップは、特許の構成要件の一部を満たしておらず、また、構成要件を充足する製品が製造されていることの証拠が不十分だったため、国内産業要件が認められなかった。


Lite-Netics, LLC v. Nu Tsai Capital LLC, DBA Holiday Bright Lights (Fed. Cir. February 17, 2023)

 LiteがHBL及びその顧客に特許権侵害しているとの通知を送ったことに対し、HBLが差し止めを求め、地裁は差し止めを認めたが、CAFCは地裁決定を覆した。
 CAFCは、過去の判例を引用し、「実際、特許権者は、その権利の性質と範囲に関する信念に基づいて善意で行動し、『それらの権利が何であるかを誤解している場合でも』、それらの権利を主張することを完全に許可されている。」と述べた。



2022年6月28日火曜日

[米国]クレーム解釈についての判決

  NATURE SIMULATION SYSTEMS INC.,(以下「NSS」)とAUTODESK, INC. の特許侵害訴訟。地裁がNSSの特許クレームは不明確であると判断したのに対し、CAFCが地裁の判断を誤りであると判断した。

[経緯・背景]
 被告であるAUTODESKは、専門家の宣誓供述書を提出し、NSSの特許クレームは不明確であると主張した。
 これに対し、NSSは、問題となっている文言は明細書に明確に記載されており、クレーム解釈を要せず、本技術分野の通常の意味に解釈すればよいと反論した。

 地裁は、専門家が当業者が理解できないと言っている場合に、クレームが明確かどうかを判断するためには、未回答の問題についての議論を見るしかないとし、クレーム文言について「未回答の問題」がある場合には、そのクレーム文言は不明確であると判断した。
 また、地裁は、明細書で「未回答の問題」に答えたとしても、クレームで答えていなければ、明確性の要件は満たさないとした。

[CAFCの判断]
 クレームは、クレーム文言、明細書、審査経過などの内部証拠に基づき、足りなければ、関連する科学的原則、技術用語の意味、技術水準などの外部証拠を参酌して解釈すべきである(Phillips v. AWH Corp)。地裁の判断は、このクレーム解釈のプロトコルを採用せず、「未回答の問題」という基準で判断しており、誤りであるとした。

 また、CAFCは、米国特許法112条の条文から見て、クレームの主たる機能は、排除する権利の境界を通知し、限界を定めることであり、発明を説明することではないと述べ、未回答の問題にクレームで答えなければ明確性の要件を満たさないとの地裁判断を否定した。
 
 さらに、CAFCは審査経過との関係について、次のように述べた。
 PTOの審査官は、特許性の法定要件だけでなく、関連技術にも精通しているとみなされるから、審査官の行動は、公的機関の行動として適切な敬意を払うべきである。我々は、審査官が、出願を許可する状態にすることをまさに目的としてクレームを修正することを選択した場合、クレームに不明確な用語を導入することはないと推定する。 
 なお、最後の見解に対しては、DYK判事による反対意見(特許審査官が不明確な表現を導入したという事実は、特許法112条の要件をクレームから免責するものではない。)が付されている。




2022年6月26日日曜日

[米国]IPRでAAPAは使えるか。

  米国のIPR(Inter partes review)でAAPA(発明者が自認した先行技術:Applicant Admitted Prior Art)を使えるかどうかが争点となったCAFC判決(Qualcomm v. Apple, CAFC 2020-1558, 2020-1559)についての報告。

[背景・経緯]
 米国の審査においては、AAPA、すなわち、自身の明細書で先行技術として記載した技術は、その出願に対する先行技術として扱われ、拒絶の理由となり得る。このことは、MPEPにも記載されている。
 
 IPRは、申立の根拠について、次のように定めている。

311条(IPR)
(b) Scope.--A petitioner in an inter partes review may request to cancel as unpatentable 1 or more claims of a patent only on a ground that could be raised under section 102 or 103 and only on the basis of prior art consisting of patents or printed publications. 

 下線で示した部分によりをどう解釈するかが問題となった。

 特許権者であるQualcommは、IPRにおいてAAPAを基礎(basis)として用いることは認められていないと主張し、申立人であるAppleは特許または刊行物(書類それ自体が先行技術でなくとも)に含まれるあらゆる「先行技術」をIPRに用いることができると主張し、PTABはAppleの主張を認めた。

[CAFCの判断]
 311条(b)の条文の文言や従前の司法解釈からみて、IPRでは特許または刊行物それ自体が先行技術であることが必要である。したがって、対象特許に記載されているいかなる記載も先行技術とはならないと判断した。
 ただし、AAPAであるということによって一律にIPRから除外されるわけではない。IPRで、申立人が先行文献以外の証拠(専門家の証言等)に依拠することができるのと同じように、特許クレームが自明であるか否かを評価する際に、特許明細書での自認に依拠することは適切であると述べた。



2022年4月26日火曜日

[米国]著作権侵害訴訟(メモ)

本日の研究会で知ったことのメモ。

・ 米国では、著作権侵害訴訟を提起するためには、著作権が登録されていることが必要

・セーフハーバー規定・・・特定の行為が特定の規則に違反しないとみなされることを指定する法令または規則の規定。

・Unicolors v. H&Mの最高裁判決(2022年2月24日)
 Unicolorsによる著作権の登録申請が正確でなかったことで登録が無効かという争点について、事実誤認だけでなく法律誤認があったという理由だけで登録が無効ということはないと判断。



2021年8月28日土曜日

[米国]Intervening right US特許法252条(再発行の効果)

  米国特許法には、特許の内容の変更を求めて再度の特許処分を求める特許再発行の制度がある。日本の訂正審判と似ているが、特許発行から2年以内なら権利の拡張もできる点が相違する。
 
 一方で、Intervening rightは、再発行特許の発行前からの実施している者に対して、次の内容を認めている。
・再発行特許は、再発行前から製造、販売等を行っている者に影響を与えない(absolute intervening rights)。
・裁判所は、衡平の観点から、再発行前から製造、販売等の準備を行っている者に対し、実施を継続してよい範囲を規定することができる(equitable intervening rights)。

 Intervening rightが認められるためには、再発行の前後におけるクレームの変化が実質的であったことが必要である。例えば、単なる誤記の訂正のように、実質的にクレームの内容に変化がない場合には認められない(Marine Polymer v. Hemcon, CAFC 2012)
 ここで、クレームの変化が実質的であれば、クレームが減縮された場合にも、Intervening rightが認められる。クレームが拡張された場合に、特許再発行前から実施している者に対して権利行使可能とするのは、実施者に酷であるというのは理解しやすいが、減縮した場合にもIntervening rightが認められる点は注意を要する。


2021年6月24日木曜日

[米国]PTAB特許審判官による審理の合憲性に関する最高裁判決

[概要]
 Arthrex,Incが保有する特許に対して、Smith&Nephew,IncがIPRを申請し、手続きをした結果、特許を無効とする決定が下された。
 これに対し、Arthrexは、IPRの審理をしたPTAB特許審判官が、合衆国憲法の「任命条項」に違反して任命されているとして、控訴したのが始まりである。CAFCは、PTAB特許審判官は、上級官吏(principal officer)に該当するところ、商務長官によって任命され、大統領によって任命されてはいないから、合衆国憲法に違反するとして、PTABの最終決定を取り消した。以来、これに追従するPTAB決定の取り消し、差し戻し請求が相次いだ。

 この事件の論点は、PTAB特許審判官は、上級官吏(principal officer)か下級官吏(inferior officer)か、上級官吏であるとすれば大統領によって任命される必要があり、下級官吏であるとすれば、ある水準で、上級官吏によって、管理・監督される必要がある、ということである。

[最高裁の判断]2021年6月21日判決
 最高裁は、特許庁長官がPTABの最終決定を再審理し、PTABに代わって決定できるようにすることで、憲法に適合すると判断した。ただし、特許庁長官がすべての最終決定を再審理する必要はなく、重要なのは再審理する裁量権を持つことである。
 
 
 

2021年4月29日木曜日

[US]IPRの審理開始について

 米国の当事者系レビュー制度(IPR)の審理を開始するかどうかは、長官の裁量によることが、米国特許法314条(a)に規定されている。

「長官が,第 311 条に基づいて提出された請願及び第 313 条に基づいて提出された応答におい て提示されている情報により,請願において異議申立されているクレームの少なくとも 1 に 関して請願人が勝訴すると思われる合理的な見込みがあることが証明されていると決定する場合を除き,長官は,当事者系再審査の開始を許可することができない。 」
(特許庁/外国知的財産情報より)

 この規定は、請願に理由がありそうかどうか、ということを言っているが、それだけではないようである。IPRの対象の特許に関し、侵害訴訟が並行しているときには、IPRが開始されない場合がある。
 Apple Inc. v. Fintiv, Inc. IPR 2020-00019の事件において、IPRの開始についてPTABが考慮すべき事項が6つ示されている(Finitiv基準)。そのうちの一つが、PTABによる決定期限と裁判所の公判日の近さである。IPRの提起が遅れると、審理を開始してもらえない可能性があるので要注意である。
 なお、UnifiedPatentの記事(下記URL参照)によると、228件もの請願が審理を開始してもらえず、そのうちの62%がFinitiv基準によるものだそうである。


2020年11月19日木曜日

米国における特許適格性

11月18日にAIPPIソフトウェア特許研究会にて、矢作隆行ニューヨーク州弁護士より、機械分野において自然法則該当性が問題になったCAFC判決の紹介があった。備忘の意味を込めて、判決の骨子を書き留めておく。

 対象となったクレームは、トルクを伝達するシャフト部材の製造方法に関し、シャフトを伝達する振動を抑制する発明である。

 1. A method for manufacturing a shaft assembly of a driveline system, the driveline system further including a first driveline component and a second driveline component, the shaft assembly being adapted to transmit torque between the first driveline component and the second driveline component, the method comprising:

providing a hollow shaft member; tuning at least one liner to attenuate at least two types of vibration transmitted through the shaft member; and

positioning the at least one liner within the shaft member such that the at least one liner is configured to damp shell mode vibrations in the shaft member by an amount that is greater than or equal to about 2%, and the at least one liner is also configured to damp bending mode vibrations in the shaft member, the at least one liner being tuned to within about ±20% of a bending mode natural frequency of the shaft assembly as installed in the driveline system.

 ポイントは、シャフト部材を伝達する少なくとも2つのタイプの振動を減衰させるように少なくとも1つのライナーを調整し、少なくとも1つのシャフト部材をライナー内に配置することである。

 

22. A method for manufacturing a shaft assembly of a driveline system, the driveline system further including a first driveline component and a second driveline component, the shaft assembly being adapted to transmit torque between the first driveline component and the second driveline component, the method comprising:

providing a hollow shaft member; tuning a mass and a stiffness of at least one liner, and inserting the at least one liner into the shaft member;

wherein the at least one liner is a tuned resistive absorber for attenuating shell mode vibrations and wherein the at least one liner is a tuned reactive absorber for attenuating bending mode vibrations.

 ポイントは、少なくとも1つのライナーの質量と剛性を調整し、少なくとも1つのライナーをシャフト部材に挿入する、ことである。

 

上記の2つのクレームに対するCAFCの判断は以下のとおりである。

クレーム

多数意見

反対意見

クレーム1より一般的な記載であり、質量と剛性以外の変数も含む。

ライナーを所定の位置に配置することも限定されている。

→クレームは自然法則に向けられたものではない。差し戻し。

クレームは、振動の問題に対し、シャフト部材にライナーを挿入するという具体的な解決手段を含んでいる。

→特許適格性あり。

 

振動の減衰させるための最適化を要するが、それは実施可能要件である。

22

「ライナーの質量と剛性を調整する」は、フックの法則を適用したもの。

クレームにはライナーの調整に関する改良された方法は特定されていない。

→クレームは自然法則に向けられたもので、特許適格性なし。

 

2020年7月23日木曜日

[US]審判請求後の口頭審理

 拒絶査定に対して審判を請求すると、それに対する審査官の回答が出され、その後、口頭審理を請求する機会が与えられる。口頭審理を請求すべきかどうかについて、米国弁護士から一般的な情報をもらったので、備忘のために記載しておく。

 通常は口頭審理を行う価値はない。その理由は大多数のケースで、口頭審理は結果に影響を与えてない。ほとんどのPTABの審判官は、口頭審理前に、書面に基づいて心証を固めているようである。口頭審理後の書面による決定も、口頭審理の内容をほとんど反映していない。その一方で、口頭審理における意図しない発言を通じて、悪影響を及ぼす可能性がある。また、 USPTOと米国弁護士に対する費用は高額である。
 口頭審理が有用な例としては、ファミリーの特許がライセンスや訴訟の問題に関連している場合、特に戦略的な案件の場合が挙げられる。これらの場合は、口頭審理が重要になり得る。また、審判請求後の例ではないが、再審査や当事者系レビュー(IPR)などの付与後の手続きの場合にも重要になり得るとのことである。

 大多数のケースで影響を与えていないにもかかわらず、ライセンスや訴訟関連では重要になり得るというのは、要するに費用見合いということだろう。つまり、周到な準備をして不用意な発言をしない限り、口頭審理をやってメリットこそあれデメリットはない。口頭審理は、結果に影響を及ぼす可能性が小さいかもしれないが、重要案件では費用をかける価値がある。

2020年7月1日水曜日

[US]IPRにおける当事者の併合(35U.S.C.315(c))

 米国におけるIPR(Inter Parte Review)は、日本でいう無効審判に相当する手続きである。IPRを提起できるのは、特許付与から9か月後かあるいはPGR(Post Grant Review)の終結の日のいずれか遅い方の後である。ただし、侵害訴訟の当事者については、IPRを提起できる期限が、訴状送達が送達された日から1年以内と定められている(35U.S.C.315(b))。
 Facebook v Windy Cityの事件において、Facebookは、訴状送達の日から1年を経過した後にIPRを提起し、自身が行った先のIPRへの併合を求めた。米国特許庁の審判部は、このIPRの併合を認めたが、裁判所は、自身の行ったIPRへの併合("same-party" joinder)は認められないと判断した。また、裁判所は、35U.S.C315(c)の併合によって、新たな論点を加えること("new issue" joinder)も認めれられないと判断した。
 この判決は先例的判決であり、今後は、自身が行った先のIPRへの併合が認められないことになる。

 詳細は、こちら。



2020年4月26日日曜日

[US]アリス最高裁判決後の審査状況


 米国特許庁は、特許の保護適格性に関するアリス最高裁判決後の審査の状況について統計データを発表した。統計は、アリス判決に関連するソフトウェアの技術分野と、それ以外の分野における101条のファーストオフィスアクション(FOA)の数によって分析がされている。
https://www.uspto.gov/ip-policy/economic-research
 これによれば、2014年のアリス判決後は、アリス関連の技術分野では、特許保護適格性に関するFOAが増加したが、2019年のガイドライン以降は、特許保護適格性に関するFOAは急激に減少している。

※2019年のガイドライン
 ガイドラインでは、特許の保護適格性の判断のフローのステップに、発明が法上の発明の例外(数学的概念、人間の活動、精神的プロセス等)に言及している場合でも、全体として実用的応用に統合されていれば、保護適格性があることを示した。


除くクレーム(令和6年(行ケ)第10081号)

 1 除くクレームについて  特許実務において、引用文献と差別化を図るために、構成要件の一部を除くことが行われることがある。新たな技術的事項を導入しないものである場合には構成要件の一部を除くことが認められるが(ソルダーレジスト大合議事件(平成18年(行ケ)第10563号))、...