発表論文

◆AI関連発明の類型と権利行使の可能性(パテント2021.12月)

権利行使が難しいと言われているAI関連の特許を調査し、AI関連発明を類型化すると共に、権利行使の可能性について検討した。


AI関連発明は以下のような類型に分類される。
・AIの単なる適用
・AIの処理が発明全体の一部
・入力データあるいは出力データに特徴
・入力データの前処理に特徴
・モデルの形に特徴
・教師データの作り方に特徴

 権利行使の可能性に関しては、上記類型の中で比較すると、AIを単なる手段として適用した発明(AIの単なる適用、AIの処理が発明全体の一部)は権利行使できる可能性が高く、出力データに特徴がある類型も権利行使の可能性があると考えられる。


分割出願の戦略的活用事例 (パテント2020.1月)
 分割出願に基づく特許(分割特許)と非分割出願に基づく特許(非分割特許)の特許侵害訴訟における侵害認定率の比較と事例紹介を行った。
 ここでは統計データのみ紹介する。詳細は、論文を参照されたい。

〇侵害訴訟で分割出願に係る特許が使われた割合と、公開公報全体に占める分割出願の割合
公開全体侵害訴訟
分割特許の割合9.6%24.6%

 侵害訴訟に分割特許が用いられた24.6%という数字は、公開公報に全出願に含まれる分割出願の9.6%に比べると非常に高い。

〇分割特許と非分割特許の侵害認定率の比較
非分割分割
侵害認定率24.9%30.6%

 侵害認定率は、分割出願に係る特許の方が若干高い。

 分割出願により競合製品を捕捉する実務は有効であり、実際に行われていることがわかる。

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