2020年7月1日水曜日

[US]IPRにおける当事者の併合(35U.S.C.315(c))

 米国におけるIPR(Inter Parte Review)は、日本でいう無効審判に相当する手続きである。IPRを提起できるのは、特許付与から9か月後かあるいはPGR(Post Grant Review)の終結の日のいずれか遅い方の後である。ただし、侵害訴訟の当事者については、IPRを提起できる期限が、訴状送達が送達された日から1年以内と定められている(35U.S.C.315(b))。
 Facebook v Windy Cityの事件において、Facebookは、訴状送達の日から1年を経過した後にIPRを提起し、自身が行った先のIPRへの併合を求めた。米国特許庁の審判部は、このIPRの併合を認めたが、裁判所は、自身の行ったIPRへの併合("same-party" joinder)は認められないと判断した。また、裁判所は、35U.S.C315(c)の併合によって、新たな論点を加えること("new issue" joinder)も認めれられないと判断した。
 この判決は先例的判決であり、今後は、自身が行った先のIPRへの併合が認められないことになる。

 詳細は、こちら。



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