2021年9月7日火曜日

特許行政年次報告書2021年版


・特許査定率は?
 2019年の実績は、日本と米国は75%程度、韓国(7割弱)、欧州(6割強)がこれに続く。衝撃的に低いのが中国であり、なんと44.3%! 
 中国は特許査定率の定義を公表していないので、他国と同じ土俵で見てよいのかは分からないが、中国の過去の査定率と比べても2017年の56.4%から2年連続で下がっている。

・特許の最終処分までの期間は?
 日本と韓国が最速で14~15カ月。米国と中国は20カ月強。欧州は28カ月。日本特許庁は優秀ですね。

・意匠の最終処分までの期間は?
 約7カ月。ここ数年横ばい。

・商標の最終処分までの期間は?
 約11カ月。2016年~2020年まで年々遅くなっている。
 なお、商標は、約6か月で最初の審査結果通知を行う「ファストトラック審査」がある。指定商品・指定役務を「類似商品・役務審査基準」に掲載の商品・役務のみとすることで自動的にファストトラック審査の対象となる。

・拒絶査定不服審判をしたら、拒絶査定が覆る可能性は?
 2020年の審理結果によれば、請求成立の確率は、5332/(5332+2310)≒0.7。
 これは審決に至った件数であり、前置審査もあるので、審判請求して特許査定が得られる可能性はもっと高いのではないか。
 2020年の前置報告と前置登録のそれぞれの件数は、6159件、8719件なので、前置審査で登録になる確率は、8719/(8719+6159)≒0.59。
 総合すると、審判請求と同時に補正をした場合は、前置審査で登録か、前置報告の上で登録になればよいから、0.59+0.41×0.7=0.877。ただし、補正をしないで審判した場合と、前置審査でダメだったものが審判にかかった場合とでは成功率は違うと思われるので、こんなに高い確率にはならず、7割5分くらいだろうか。





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