拒絶審決に対する審決取消訴訟である。対象の特許は、前記携帯通信端末において実行されるアプリケーションの生成を支援するシステムに関する発明である。引用発明との相違点は、簡単にいえば、本願発明が、携帯通信端末に固有のネイティブ機能を実行させるアプリケーションであるのに対し、引用発明で生成されるアプリケーションは、ネイティブ機能を実行させるものではない点である。
引用発明は、CMS(コンテンツマネジメントシステム)で構築されるアプリケーションがウェブサイトとして構築されるという課題に対し、同等の機能を有するネイティブアプリケーションを容易に生成できるようにしたものである。
裁判所は、引用発明のこの課題に着目し、(被告が主張する周知技術が存在したとしても)動作を行わないウェブアプリケーションの表示内容を表示するネイティブアプリケーションを生成しようとする場合、携帯通信端末の動きに伴う動作を行うようにすることはないと判断した。引用発明の課題に着目して引例どうしの組合せについて動機付けがないという判断をするのは一つの公式である。
なお、裁判所は、阻害事由があるとも述べている。引用発明は、簡易にネイティブアプリケーションを生成することを課題としているから、新たにソースを書くような面倒なことはしないというものであり、もしソースを書こうと思えば書くこともできるから、技術的には阻害されていないのではないかと思われる。
0 件のコメント:
コメントを投稿