2025年2月19日水曜日

弁理士会研修「最新技術と知財:生成AIの特許事情」

[研修の備忘]

〇国内生成AI特許の出願傾向
・2024年12月までの調査で846件が公開、373件が登録になっている。
・2023年4月から生成AIの出願が急増している(2022年11月にChatGPTの発表があった)。ただし、2023年4月の出願件数が多いのはほとんどがソフトバンクグループの出願である。2024年12月までの約800件の出願のうち、約300件(驚!)がソフトバンググループ。
・2024年後半から公開件数も急増している。
・国内生成AIの特許は、LLMを活用するアプリケーション、サービスに関する特許がほとんどである。

〇審査基準のおさらい
・人間が入力したクエリをそのまま生成AIに入力する→進歩性なし
・人間が入力したクエリを加工して生成AIに入力する→進歩性ありの可能性

〇個別特許の検討
 こうした例を一気に紹介してもらえるのはありがたい。ざっと聞いてみて納得感があり、個人的な感覚とずれがないのを確認できたのはよかった。

・法律文書を修正するプログラム(特許7506867)
 修正したい箇所と評価情報の一部をプロンプト入力すること。

・会話仲介装置(特許7445108)
 会話が指定会話か判定し、指定会話の場合に訴求対象の商品を選択し広告を出す。

・社内の承認ワークフローを設定する装置(特許7430953)
 組織役職情報に基づいてルールを生成する。

・求職者のレジュメを生成する装置(特許7353696)
 過去の経歴と応募する企業の情報に合わせレジュメを調整する。

・電子決済サービスに関する業務効率化(特許7393579)
 先月いくら使ったかの問いに対し、利用履歴から回答生成する。

・質問に対する回答する装置(特許7441366)
 質問に特化したデータベースを選択して回答する。

・電子カルテ(特許7441391)
 カルテの内容を提供し電子カルテ内容のプロンプトを生成する。

・電子カルテ(特許7421000)
 患者の診療情報を生成AIに入力しEQ-5D-5Lに対応したQOLを数値化して出力する。

・ストリーミングサーバ(特許7325787)
 ライブストリーミング中にメッセージを受信し、ユーザがユーザリストに入っているかとメッセージの内容でメッセージの表示タイプを決める。

・仮想人物対話装置(実用新案3241834)
 キャラクタのプロフィール情報を入力すると、看護師の容姿の3D画像を生成する。

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