2022年3月15日火曜日

無効資料調査についてのメモ

後日、手順書をまとめたいと思うが、とりあえず思いつくまま。

・「ありそうな」キーワードやFIで絞り込むこと
・「ありそうな」には、絶対にこれは含まれているというクエリ(必要条件ともいえる)と、発明を表現するにはこれは含まれているかもしれないというクエリがあるので、組み合わせて使う。
・各検索式のヒット件数は少なくする(20件前後?)。ヒット件数が多いということは、観点がぼんやりしているということであり、ゴミの山の場合あり。
※現実的に網羅できることはないので、大きな網で絞るのは得策ではない。可能性が高そうな範囲をいくつも見るのが、可能性を高めることになる。
・色々な観点が考えられる。構成要件のワード、効果のワード、具体例のワード等。自分が明細書を書くとしたら、どんなことを書くかを想像。
・絞り込みのためのFIは、全体の件数の割りにヒット数が多いものが良い。
→例えば、ありそうな集合をキーワード等で決定し、そこで使われているFIをランキング。一見、ランキングが高いものが有効に思えるが、その集合にかかわらず全体的に件数が多いのであれば、絞り込みに有効とは言えない。
・有力な文献の引用、被引用関係にある文献。
・有力な論文を引用している文献。
・複数のキーワードを使う場合、使われている場所が離れていると、ノイズが多い。
・キーワードが一般的だと、近傍検索で組み合わせても、ノイズが多いことがある。

・対象特許の本質、背景技術からの位置づけを理解することは重要。
これにより、どういうクエリが必要かを理解することができる。
→明細書や審査経過をチェックするのはもちろんだが、それだけで理解できることはない。特にどのような背景があったかは、従来技術を見ていくうちに分かる。検索式の作成とスクリーニングは繰り返した方がよい。

・スクリーニングの仕方としては、こまめに内容を精査するのがよい。(全件見た後、まとめて精査、は良くない。)。それによって、その後のスクリーニングの精度とスピードが高まる。

・主引例を探すときと要素技術を探すときでは、検索期間を変えてもよい。

・見る順番としては、出願人別が良い。分割出願等の関係を検討しやすい。
・多少の重複があるくらいなら、検索式ごとにみるのがよい。観点がはっきりしている方が探しやすい。

・主引例は図面で判断できることが多い。図面にバシッと現れているくらいでないと、論理付けで苦労する。図面に現れている場合には方向性が同じことが多い。

[2022/12/10追記]
・検索式の本質は、キーワード。FIやFTMでは探せない。発明の特徴は、FI=技術分野では表せない。FI、FTMはノイズを除去する役割。
・単一のキーワードもよほど特殊でない限り、ノイズを除去する役割。一言で発明の特徴は表せない。
・そうすると、本質は、近傍検索ということになる。要約は高々400字なので、近傍でなくてもよいかもしれない。
・検索式は、こういうものを探したい!という意思が必要。なんとなく、こんなものが含まれているのでは?という検索式は、しらみつぶし方式だが、効率が悪い。
・名詞(特によく見られる名詞)どうしを近傍検索すると思わぬ組み合わせがヒットしてしまう。助詞を入れるのはありかも。件数が一定数以上の場合には、要チェック!
・短い言葉は、なるべく近く設定。
・同義語(たとえば「貯金、蓄える、貯蓄、貯める」等)を漏れなく検索しようと、共通の漢字(たとえば「貯+蓄」等)を使うことが考えられる。逆に、考えられる言葉を全部列挙する選択肢もあるが、どちらがよいか。どのみち網羅することは不可能という立場なら後者か。

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