無効資料調査の検索式の作成について。
正解があるわけではないように思う。今後も試行錯誤は続くが、いま考えるやり方を備忘の意味を込めてメモしておきたい。
以前にも書いたが、すべてを網羅することはできない。例えば、20年分の文献を調査しようとすると、ざっと600~700万件の公報がある。このうち99%は無関係と言えるとしても残りは6~7万件。とても見きれる量ではない。そもそも調査対象を20年分としたり、その99%を外している点で網羅していないともいえる。
無効資料調査の場合には、1件でも無効資料があればよいのだから、ありそうなところを見ていくのが、限られた時間で資料を発見する確率を高めると考える。
「Aにおいて、Bに基づいてCする」ことを特徴とする発明を探すとする。
この場合、「Bに基づいてCする」という部分が特徴であり、「Aにおいて」は前提事項である。次のようなイメージで検索式を立てる。
縦軸は特徴を表す表現の切り口、横軸は前提事項の切り口で、所望の文献は交差する部分にある。特徴部分はピンポイントで狙う。前提事項は、特徴部分の切り口で求めた集合からノイズを除去するという位置づけと考え、広めに設定する。
以上のことから、検索式のクエリを考えると、次のようにすることが多い。
(特徴部分)
・要約のキーワード検索
・クレームのキーワードでの近傍検索
・全文のキーワードでの近傍検索
(前提事項)
・要約、クレーム、全文のキーワード
・FI
次に、特徴部分の検索の例について。
「Bに基づいてCする」という技術思想を明細書で記載するとすると、どういう表現になるか。「Bに基づいてCする」「Bに応じてCする」「Bを用いてCする」等の他、「Cを行うためにBを用いる」も考えられる。また、「B」「C」の部分にはもちろん、「B」「C」のみならずその同義語も考えられる。
近傍検索を使って、
「B」<1w>「基づ+応じて+を用いて」<5w>「C」 ・・・(式1)
というような感じになるかと思う。
ここで、<1w>は両側にある文字が1ワード以内であることを意図している。
少し広げるなら、
「B」<10w>「C」+ 「C」<10w>「B」 ・・・(式2)
のようにすれば、間に入る言葉が「基づく」等以外にも対応できる。
注意が必要なのは、色々なバリエーションが考えられるからと気にしすぎると、関係ないものがたくさん入ってきてしまい何を探しているのか分からなくなってくる。
ただし、現実には、(式1)のタイプの式をたくさん作るのは結構難しく、(式1)のタイプだけだと件数がヒットしないということもある。他人が書いた明細書の表現をすべて想定できるとも思えないので、そもそもの件数が小さい場合には、ある程度、しらみつぶし的な検索式を入れていく場合もある。
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