被告である一般社団法人履修履歴活用コンソーシアムのホームページに、「リシュ活」商標権侵害訴訟のこれまでの経緯と和解内容についての報告が記載されている。
https://risyu-katsu.jp/news/1119/
公開された和解条項によると、原告は、リシュ活がRe就活の商標権侵害に該当しないことを認めると記載されている。
原審で侵害認定されているにもかかわらず、原告が非侵害を認めて和解したということは、高裁では、リシュ活とRe就活とは非類似であるとの心証が開示されたのであろう。
原審の判断には驚いたが、妥当な判断に落ち着いたといえる。
なお、特許庁も異議申立事件(異議2019-900352)において、リシュ活とRe就活が類似しないと判断している。原審では称呼の類似性がキーになったが、この点についての特許庁の判断は次のとおりである。
「また、称呼についてみるに、引用商標は、「就活」の文字の語頭に「Re」の欧文字を付した構成からなるところ、語頭に「re」を有する親しまれた英単語である「reaction(リアクション)」、「reform(リフォーム)」、「reset(リセット)」、「regain(リゲイン)」が、「re」の直後の音節にアクセントを置いて発音されること、及び、「就活」の文字は「シューカツ」と一気に称呼される親しまれた略語であることに照らすと、その全体から生ずる「リシューカツ」の称呼は、第1音節の「リ」の音を明瞭に発音した上で、第2音節の「シュー」の音にアクセントを置いて「シューカツ」と一気に称呼されるものといえる。さらに、当該「シュー」の音は、長音を伴うために、より強調して聴取されるものである。
これに対し、本件商標から生じる「リシュカツ」の称呼は、短く平坦に称呼されるものである。
してみれば、これらの差異が、5音又は4音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいい難く、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が相違し、互いに聴き誤るおそれはなく、十分に聴別し得るものである。」
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